引退馬について考える
皆さんは引退馬について、どのようなイメージをお待ちでしょうか?
馬の寿命で引退馬に、ケガをした競走馬が引退馬に、または病気で引退。
少しここで引退馬について考察してみます。
引退馬についての目次
A) 引退馬の年齢と高齢引退馬の馬体の変化
- 年をとったから引退馬に、馬の年齢は?
- 引退馬になってからの馬体の変化
B) ニュージーランドの引退馬の施設について
- どんなスタッフがここで引退馬のお世話をしてくれているのでしょう
- 引退馬を預けた場合の費用はいくら?
A) 引退馬の年齢と高齢引退馬の馬体の変化
1) 年をとったから引退馬に、馬の寿命は?
良く言われるのが人間との年齢の比較です。幾つか計算方法があるのですがある計算方法によりますと3才までの年齢が特別だと言います。
その計算方法では馬の1才が人ではおよそ6才で、2才が12才、3才が17才くらいとされています。
つまり馬の3才まではものすごいスピードで年齢が進みます(人間と比較してですが)
そして4才以上は1年を3年と計算するとされています。そうすると20才の馬は人間では幾つになるのでしょうか。
20-3(3才までは別計算)=17
17年 x 3=51
51才+17才(3才まで)で68才
およそ二十歳のお馬さんは(人間の年齢の計算では)実は68才なんですね。
では引退馬になってそして、その後の馬の現実の平均寿命はどうでしょう。
一般的には競走馬の平均寿命は25才です、すると上記の計算方法では人間では83才くらいです。
中には30才を超える長寿のお馬さんもいます。
乗馬用の馬は競馬より過酷な運動はしていないので少しは長く生きるとされていますが、でも平均寿命は
やはり25才前後ではないでしょうか。
2)引退馬になってからの馬体の変化
馬が年齢を重ねて引退馬になると、どういう事が馬に起きるのでしょうか?
ことわざで「馬齢を重ねる」という言葉がありますが、実はあまりいい意味では使われていません
この意味は無駄に年をとったというのですが、ちょっと馬に失礼だなと思います。
さて、高齢になった引退馬の体ではいくつかの問題になる点があります。
一番の引退馬の体のトラブル何だと思われますか、それは歯です。
歯の検査は半年に1回はした方が良いそうです、咀嚼(そしゃく)力がどんどんと落ちてきます。
すると疝痛や食道が詰まる原因にもなります。治療をしないと中には歯が全く無い引退馬も存在します。
また、高齢馬の事を考えて運動を極端に減らすと、これはこれで肥満の原因にもなります。難しいところです、色々な意見もあるみたいですが高齢の引退馬に時別な運動や特別な食事を与えない方が長生きしやすいとの意見もあります。通常の運動を無理なく続けるのが一番の方法かも知れませんね。
まあ、人も同じく高齢だから運動をしないより普段通りの運動と食事が大切という事でしょう。
ただ、ゆっくりした食事はとても良いとされています。いわゆるスローフィーダーです。
乾草がこぼれにくい小さめ格子面なので引退馬でも
ゆっくり乾草を食べれるスローフィーダー¥11,050
これは乾草が下にこぼれにくく設計されていて、さらに小さめ格子面なので馬が自然にゆっくり乾草を食べれるスローフィーダーの乾草バッグです。
引退馬には乾草を出来るだけ広げて撒いて、時間をかけて食事をさせるのも良い方法だそうです。
飼いオケの中に石などを入れて、食事時間を長くするという方法も有ります。
また、食べこぼしの多い引退馬は要注意だそうです。歯に問題がある場合があるからです。
すぐに歯の確認をしましょう。
引退馬にとって体重は大きな指標です。
ご存じですか?基本的に引退馬は太りやすく、体重が急激に落ちる場合は要注意です。
腫瘍、肝臓疾患、腎臓疾患、寄生虫などの場合があるそうですので、すぐに獣医医師の診断を受けましょう。
次に高齢の引退馬を悩ますのが脚です。
やはり関節、腱などが問題になってきます。放牧でも引退馬には軽い運動がとても良いとされているみたいです。慢性炎の場合は抗炎症剤やサプリで対処する方法が一般的ですね。
さらに、肺と目が高齢の引退馬には色々な問題を引き起こすようです。
う〜〜ん、人も同じで年は取りたく無いものですね。
B) ニュージーランドの引退馬の施設について
最近ニュージーランドで引退馬の専用の施設がオープン致しました。通常の単なる放牧をして老後を過ごす引退馬ではなく本格的な引退馬の専門家が考案した施設を完備したものです。
そのすごい内容を見てみましょう、ちょっと驚きますよ。
名称はAdult Horse Riding & Equine Retirement Centreとなっております。
大人の乗馬と引退馬のセンターという感じでしょうか。お子さんが乗りに来ても受けないとの姿勢が感じられます。
1)どんなスタッフがここで引退馬のお世話をしてくれているのでしょう
- Equine Dentist 馬の専門の歯医者さん
この上記のA)-2でも書きましたが引退馬の歯の問題はとても大切です
歯が丈夫なら長生きなのは人も同じですね。
- Equine Therapy 馬の専門のセラピーさん
なるほど引退馬には体の問題と同様に各馬の心のセラピーも必要なんですね。
小心な馬さん、怒りんぼうの馬さん等、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱える引退馬さんもいるかも知れません。
- Holistic Healthの専門家
ホリスティック・ヘルスはあまり日本では聞き慣れない言葉ですね。簡単にいうと体を部分だけでは見ないで体全体を診て判断するという専門家です。薬草なども使用すると思います。引退馬には必要な専門家です。
- Barefoot Trimming 裸足の馬のトリミング 2人
引退馬は基本的に蹄鉄を履きませんので、足の爪を常に正しく管理しなければなりません。
蹄(ヒヅメ)の健康管理も兼ねて必要ですね
- Vet Services 獣医師 2人
獣医さんは必要ですね、2人もいると安心です。
2)引退馬を預けた場合の費用はいくら?
さて、気になるのがここの費用です。
ニュージーランド・ドルと日本円の為替レートもあるので大体の日本円(NZ$1=¥80)で計算をしてみます。
まず、引退馬を預けるには3つのパッケージがあります、その中から選べるようになっています。
- Premium Package プレミアム・パッケージ 優良パッケージ
- Elite Package エリート・パッケージ 特別パッケージ
- Short Stay Holiday Sleepover ショートステイ ホリデイ 短期間の預かりの場合
- プレミアム・パッケージは1週間で約9,600円
- エリート・パッケージは1週間で約14,000円
- ショートステイは1日での計算で約2,000円
このショートステイの考え方はいいですね。お試しに預けたり、馬主さんが安心して短期の旅行に行けます。
ではもっと詳しく引退馬を預けた場合の内容を見てみます。
まずプレミアムとエリートとショートステイでの共通のサービスは以下の通りです。
- 週に一度のグルーミング
- 装蹄師と獣医の診断
- 1日7時間の見守り
- 干し草の提供
- 他の馬との放牧
- 厩舎の使用
そして以下のサービスはエリートパッケージとショートステイのみに提供されるサービスです
- 全ての施設の利用が可能
さらにエリートパッケージのみ可能なサービスは
- 1頭だけで放牧
- 週に1度のマッサージとセラピーサービス
また、ショートステイの場合は馬運車を置くスペースを提供されます。
以上がニュージーランドで最近オープンした引退馬の施設の簡単な案内でした。
いかがでしたか?
やはり愛馬が年を取って引退馬になっても、同じ家族の一員として長い年月を一緒に生きて来た思い出がいっぱい有ります。
最後まで元気でいて欲しいと思う気持ちは世界中変わらないですよね。
ありがとうと言ってお別れする日まで、ずっとそばにいられたら最高ですね、
最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
Mitsu (みつ)
以下は参考資料です
大和高原動物病院:https://www.crane.co.jp/yamatoko/news/180120.html
馬の長寿番付 – 馬は何歳まで生きられるのか:umas.club/st284
Rayner Riding:http://raynerriding.co.nz
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